お葬式、お通夜、告別式の際に、合同葬を行われるご家族は少なくありません。日本国内では珍しいかもしれませんが、他のアジア、アフリカ諸国などでは古くから行われる文化として根付いている地域もあります。日本国内でも昨今はお葬式の形式も多様化していますので、複数のご家族、故人に対して合同で執り行われるということもあります。まずご家族のみでお葬式をすませ、幾日語ってからその関係の深いご家族やご親族同士で、複数の故人を対象にした葬式を行うこともあるということです。
その際の挨拶、弔辞は、特別なものになることがあります。勿論故人に対する弔辞というものに決まりきったルールはありませんので、喪主の方を含めたご家族の趣旨、または故人のご遺志に沿ったものでかまいません。一般の弔辞と同じものでもかまいません。しかし、複数の故人を対象とした葬儀ですから、特別なご遺志を残された故人である可能性は高く、そのため、メッセージ自体も特別なものになる確率が高いということです。たとえば、社葬のような企業が主催した葬儀の場合、複数の役員の故人に対して執り行うお葬式になりますので、その故人の生前の働きぶり、ビジネス上の人柄や人間関係に沿った内容になることが多いでしょう。
お葬式は本来、故人が生前行われてきた社会的な存在を改めて確認するような催しですので、お勤め先であった企業が主催する合同葬の場合は、ビジネス的な側面を主張することになるでしょう。